たしか3つ前の記事で、今までやってきたこととうことで、工事規制で車線規制するときの交通対策について書いていたと思います。
その続きです。
心理的に、う回路があっても、 通ろうとしていた 工事渋滞発生している路線に突っ込む人が多いというところまで書いたと思います。ダイナミックに、渋滞を考慮して 違う路線を案内するカーナビが増えているのですが、例えばナビタイムさんだと、新ルート-3分 と出てきて、押すとそっちに案内される形になっています。押さないと旧ルートのままで、意外と旧ルートのままでいっちゃう割合が高そうな気がします。
とにかく、「通れるんだ」と判断すると、もともと使おうとしていたルートに行きがちです。
逆に、通行止 と出てると通れないので、必死にどうやって違う道を通ろうか? と考え始めます。
おおげさに言うと、この行動心理学を用いて実施した工事規制をして成功した事例があります。
某刑事が 「●●ブリッジ封鎖できません!」って言ってた 場所を工事した時です。
某ブリッジは、上りと下りで交通特性に大きな差があるルートでした。
道路法上の道路は 基本通せるモノは通す というのが基本であるため、当初両方向とも 1車線規制で24時間工事をやる予定でした。上りは、1車線規制しても渋滞しない交通量だったため、そのまま1車線規制で計画。
しかし! 逆方向は朝の交通量がめっちゃ多くて、あっという間に渋滞が発生して、ネットワーク的に広範囲に影響を及ぼすことになりそうな予測となりました。ただし、別のルートにうまくまわすと、断面的には渋滞なしでやれるくらいの交通量。
つまり 工事する場所の交通量が1時間3000台とすると 工事規制の容量(通せる量)は1300台くらいで、1700台は通れない。これが渋滞する。1時間で1700台渋滞 次の時間も1700台 とかすごいことになるわけです。
が、使っているひとの流れをみると もう1つの路線に1200台の余裕がある。さらにもう1つの路線に1800台の余裕がある。となると 工事路線以外に3000台の余裕があることになり、うまく迂回させれば 工事路線を止めちゃっても 渋滞なしで工事が出来る。
だったら、1車線規制して渋滞させるより 通行止にしちゃって渋滞なしで工事したほうが、利用者にとってはハッピーになるはず。
ということで、下りは通行止をして、各所に迂回案内を充実させる で 説得することに。
どこでも言われちゃうのが、だったら1車線で通れるようにしておいて、迂回対策すれば渋滞しないじゃん ってこと。おお たしかに 計算上はそうなる。
ここで出てくるのが、さきほどの通れるとわかっていると 渋滞していてもみな突っ込んでくるという行動心理。いくら迂回案内しても 渋滞しない限り 戦略的に迂回する人なんていませんよね??
だから 通常の交通量が1車規制の交通容量以上の場合、通れるようにしていると 絶対に渋滞は発生するのです。これをわかってもらうのが最も大変ですね。仕方ないことですが。。。
こうなると最後はクライアントさんの熱意にかかってくるので 最後はおまかせして 無事通行止をすることが可能に。
最近は広報費が高いのであまり広報しないのですが、通行止したことで無料で広報できました。某テレビ局がおもしろがって ●●ブリッジ封鎖中 とニュースに取り上げてもらったことで、無料で工事規制広報ができたわけです。つまり、ニュースネタになりそうなコンテンツで準備してあげると、マスコミが自動的に取り上げてくれる。SNSも同様ですね。今は、取り上げてもらえるような、広報戦略も大事です。
昔はAIDMA (認知(Attention)、興味をもち(Interest )、欲しいと思うようになり(Desire)、記憶して(Memory)、最終的に購買行動に至る(Action) )でししたが、現在はAISAS(認知 興味 検索 行動 共有)ってのもありますので、検索して共有されるような広報も大事。
道路交通は、生活に非常に密着しているのに、一般の人からはだいぶ遠い世界のイメージがあります。事故も渋滞も密着している。もっと道路行政が、一般の世界に近づいていかないといけないでしょうね。道路会社のサイトを検索してもらって、いろいろみてもらうような工夫も必要。
どうもどこも情報が固いので、普通の人がアクセスしないサイトになりがちです。
もっと便利情報 渋滞のはなし 工事のはなしが 生活の中にすっと入る戦略を考えないとと思っています。ただ、道路は国交省、自治体、道路会社 道路会社は民間ではありますが、国が株主なので自由にはできず 実質国の機関であるため、基本お堅い情報しか出せないのが現実。
ここをどう変えていくか が必要です。
微力ながらここを変えていって、使っている人が自ら考えるようになり、渋滞・事故が少しでも減る方向にもっていくことが この会社の役目でもあります。
では 次回ご期待下さい。 こんなの教えろみたいなリクエスト等も 問合せからいただければ回答させていただきます。