続きは次回へ というのを一旦お休みして
今回は 6月8日(土)の土木計画学研究発表会の交通安全セッションでの議論を聴いてのお話しをします。
土木計画学研究発表会というのは、土木学会という学会が年2回開催している発表会で、土木の中でも交通計画、道路計画、都市計画、交通安全、交通渋滞、など ソフトといわれる分野の学識先生方、実務をしているコンサルタント、学生さん ほんと最近は少ないですが、国、自治体、道路会社さんなどが集まり、日頃の成果を12分程度で発表して15分くらい議論する会です。
学会の会員でも非会員でも参加、聴講等可能ですが、2日間で6000円くらいかかるので、一般の方で参加される方は少ないですね。こういうところで、日頃議論してるんだ みたいなのが一般の方々に広まれば、実務的なところは建設コンサルタントが考えてやってるんだな というのが広まり、もうちょっとステータスがあがる気もしています。
さて、その中の交通安全のセッションにて 無信号横断歩道における歩車間コミュニケーションに着目した小学生の交通安全教育に関する実証的研究 というタイトルで国士舘大の寺内教授が発表した論文がありました。
内容は、世田谷区二子玉川小学校の目の前は、中央線がない幅員の狭い道路で、無信号で横断歩道があるが、小学生がここを渡りたくても、自動車が全然止まらないので、小学5年生を対象にコミュニケーションをどうすれば 安全に渡れるか を大学、世田谷区、地域、学校が連携してワークショップ形式で取り組んでいる というもの。
発表によれば、小学生がいて自動車が止まる率はわずか4%。挙手をして42%、挙手とアイコンタクトで55%、挙手、アイコンタクト&一歩踏み出すで60%というもの。 つまり、いろいろやっても40%は止まらなかったという事実。
発表の中で、習得した5年生が2年生に教えて、というのを何回か繰り返せば、小学校全体がコミュニケーションを習得できるので これからも進める ということであった。
しかしだ。なぜここまで、この道路を通る自動車は泊止まらないのだろうか?最近は、ニュース等でもJAFが調査した無信号横断歩道での自動車停止率が話題になる。おそらく子供の頃から徹底して交通安全教育しているためか、長野県の停止率が圧倒的に高いのは事実。
筆者が考える1点目の問題は、道路 交通とういうのは一生生活に密接なのに、自動車免許取得時にちょろっと勉強するだけであることが問題。道路の位置づけ、交通安全のことを本気で勉強することなど 普通はない。
2点目は、都市計画と道路の位置づけが不明確であること。身の回りで、歩道があり整備された道路を車が通らずに、狭い道路を地域のナンバーではない車がばんばん走っている ということが結構ありませんか?本来であれば、エリアを通過する通過車両が通る大幹線道路、幹線道路、地域道路、生活道路と、本来は使い道が階層がされなければならないのですが、めっちゃ狭い生活道路同士の交差点に信号がある(つまり交通量が多く必要)、とかその道路の位置づけと、通っている車のアンマッチが発生していることが多い。
例えば、さきほどの二子玉川小学校前の狭い道路は、いまでは国道246号の旧道、バイパスと出来ているのですが、かつてはここが大山みちといわれる街道であった名残か、結構抜け道に使う人が多い。もし地域の人が使う道なら、自分らの子供が通ったところで、ここは危険なのでスピード落とそうとか そういう風になるはず。
現実はさきほどの停止率
通過する車が使うべき道路、地域住民の使うべき道 等を明確に階層化し、いまのようにまぜこぜになっている交通をわけられないと、これからも事故は減らない可能性が高い。
大幹線道路は60Km規制だが、歩道はからなずガードレールで物理的分離、
生活道路は、規制速度30Km必ず厳守という管理にし、かつ計画的に抜け道にならないような一方通行等にする などを道路を管理する自治体、交通を管理する警察が一体的に計画しないと、生活道路からの危険を消すことが出来ない。
実際、近所の練馬氷川台地区に、川越街道から環七方面へ斜めに抜ける道(幅員5.5m)がある。もともと 無理矢理オレンジ中央線がひいてあったため、大宮ナンバー等のトラックが、朝などの抜け道にめっちゃ使っていて、おれんじ線を守って40Km以上で走行するので、歩行者はたまったものではなかった。この斜めにある道は、氷川台駅への最短経路路でもあるため、通勤通学の歩行者もめっちゃ多いのだ。
これは危ないということで、まず練馬区へ、このおれんじ線を消して、歩道線を入れて欲しい、論文で中央線を消すと速度が低下して安全というエビデンスもあるので、是非。 とお願いしたが、幅員が狭く、歩道線は入れられないので、中央線も消さない。ただ、交通量によっては考えるので、以後 警察の方へ調査も含めて依頼したので、結果がでしだい連絡する という書面をいただいたが、数年間こなかったので、しびれを切らして、警視庁の方へ、このおれんじ線は消して、歩道線をいれるべき という書簡を提出した。
特に回答はなかったのだが、1~2か月後のある日そこをとおってみると、あら 中央線がなくなって歩道線が描かれているので ビックリ!
ま 陳情も無駄ではなかったな と自己満足。周りからは、それやるなら自治会長から議員経由で出せば早いのに と言われたが ちょっとそれはね。。。。 出来れば自主的に自治体に動いて欲しかったので。
調査はしてないので 不明だが、少しはこんな狭いとこはやめて、1分くらい遠回りだけど、ガードレール付歩道がある道路を通ろう という車はいて 分散していただけたはず。
それでも、ファミマ、セブンイレブンを背負った配送トラックが5分に2台くらい走っていて目立ったので、どちらも連絡して、別の道路を走っていただけるようにお願いしたところ、2日後から別の方へ回っている配送トラックを確認したので、非常にありがたかった。それだけでも、事故リスクは確実に減少している。ただし、所要時間は1分ロスしている。あとは、人命リスクをとるか、効率性をとるかの評価となる。コンビニ配送さんは、事故リスク減少をとっていただけたことになる。
みなさんも、地域でここは危ない おかしい というのがあったら、自治体、警察へ積極的に教えてあげてください。どこも人不足で 気付いてないだけのことも多いです。
我々は、こういう生活に超密着した道路 交通のことを もっとみなさんに発信して、地域自らがまちを安全で住みやすい地域にできるようにしていきます。
交通安全 道路交通 心理学の先生方等も みな真剣に考えています。
こういう議論がもっと アカデミックだけでなく実社会でされなければ。
コンサルタントのステータスをあげて、国交省等が、どうせコンサルは 俺たちの手下の作業屋だ 作業だけやっておけ という現状を変えて、もっとフラットな議論ができるようにしないと。
彼らは、コンサルのことは信じなくても、学識の先生がおっしゃると それは確かに とかすぐ寝返ったりするくらい、コンサルの立場は低い(笑) これを変えた上で、もっと建設的な分析検討を、役所 コンサル 地域 学識が一体的にやらなければ 現状は何も変わりません。
では このへんで。