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筆者がやってきたこと 高速道路の工事規制

前の記事で建設コンサルタントって なんだ ってことを書いてきました。

つづいて 私が主にやってきたことを書いてみましょう。

まためんどくさいのですが 弁護士等とおなじように守秘義務があり、クライアントのことをべらべらしゃべることはできませんが、かける範囲で書いてみます。

筆者は東京にずっといること、交通工学系の技術者であることから、高速道路会社の仕事をメインでやっていています。他にも、国 自治体等の役所の仕事もやってきましたが、メインは高速道路会社さんです。私の入社は平成5年なので、当時は○○高速道路公団という名前でした。現在は民間になりそれぞれ名前が変わりましたが。

 現在もリニューアル工事という名前で あちこちで車線規制したり、通行止めしたりしながら道路を改築しているのですが、当時から全面通行止め 長期間車線規制等の工事は始まっていました。

 東名集中工事 中央道集中工事 なんていうと よくCMで流れているので 聞いたことがあるかもしれません。

 道路はアスファルト舗装が多く、どうしでも車が走ると劣化したりわだちぼれしたりするので、一定の間隔で舗装しなおす必要があります。また橋梁があると ジョイントといって 橋と橋をつないでる部分があり 常に動いているためこれも劣化します。道路上で かたんかたんと音が出る部分です。これの補修だったり、逆にこのジョイントをなくすノージョイント化工事なんてのも、最近は多くやられています。

 では、私がこれの設計だったり工事だったりしていたか というと違います。

 車線規制したり通行止めしたりすると、そこを通っていた車は、別の道路へ迂回するため、別の道路が渋滞したり、車線規制部分で渋滞が発生します。みなさんも、工事渋滞 といわれる渋滞にはまった経験があるかもしれません。東京付近は、交通量が多いので、夜間車線規制して工事をやっていますが、それでも渋滞が発生したりしています。

 こういう大規模な工事を行う場合、道路の総元締めである国交省、道路の存在する自治体、交通管理者(要は警察)と協議をして、承諾を得る必要があります。法的には、道路使用許可、道路占用許可というものを、いただかないと道路上にものをおいて工事をしたりできないわけです。

 この協議では、何が求められるかといえば、どんな工事をやるのか?必要性は?それによる影響は?などに丁寧に説明していかないと、最終目的である許可をいただけませんので、説明資料を作成していかなければなりません。

 その中の、交通影響がどうなるのか? それに対してどんな対策をするのか? 後日その結果どんなことになったか?を検討し、資料を作成するお手伝いする仕事が、私が多く手がけた仕事になります。

 当然のことながら、精度の高い予測ができないと、どんな対策をするか?というのが絵に描いた餅になりますので、交通だったり統計だったりの知見を総動員して検討します。

 そのためには、まずそこの道路が通常どんな感じで使われているのか?使っている人はどんな人なのか?迂回路にあたる道路の状況は? 周辺にある施設の利用状況は? などをまず調べる必要があります。筆者は、4歳の時に東京及び箱根までの道路ネットワークはすべて頭にたたきこまれてたので、まずはどこの道路がどうなっているか? はすぐに準備できます。道路 交通に関してスパルタ教育してくれた父に感謝です(笑)

 ただし、最新の状況 曜日による違いはわからないので、現場を時間かけて見に行きます。これを現地踏査といい、これを怠ると、いやそれ無理でしょ とか違うでしょ っというおかしな対策計画を立案してしまいます。実際、他社様がやられた成果で、いやそれ無理でしょ みたいなのもみかけましたが、やはり地理的に知識がなかったようです。。。

 できる限り交通、道路のデータを収集した後、それらを駆使して、工事規制をしたときの渋滞状況を予測していきます。ここが 技術者としての腕の見せ所ですね。とんちんかんな予測すると、次の仕事もらえなくなりますから。 いや それよりも道路を利用している方に迷惑をかけることになりますので、ここは慎重にやっていきます。

 ただ、逆にいうと利用者からみれば、渋滞が4Kmなのか3.8Kmなのかは そう大きな問題ではなく、そこがとんでもないことになるのか 通常通りなのか ちょっと時間がかかるだけなのか そういう大枠な状況を知りたいし、とんでもないことになるのであれば、それをできるだけ抑えることが大事なことなので、あまり細かいところにこだわるよりも、大枠で精度があがるようにやっていくのがこつです。

 どんな予測計算しているのか? は 技術料金に含まれるのでここでは公表しませんが計算自体は簡単です。 どう料理するかが難しいところです。

 次に どういう対策を立てるか? これが大事になります。

 1車線規制をするときの予測として、規制先頭で渋滞5Km 迂回路は渋滞しません とかいう結果をだしていくと、さきほど書いた協議先の方々が、いやいや なんで迂回路先渋滞しないのよ だったらそっちに全部回しなさいよ とおっしゃられます。

 でも実際に1車線規制すると、そこだけ渋滞して迂回路渋滞なし という事例はいくらでもあります。道路を利用していて、情報板に ○→○ 工事渋滞5Km 通過に20分とかかかれていても、普通に突っ込んじゃう経験ありますよね? そう そういうことです。心理学的に、通ろうとおもった道路をそのまま使う人が多いのです。最近、リアルタイムの渋滞に反応するナビを使う方が増えて、迂回路が推奨されればそちらへ回る人が増えたので、以前よりは柔軟に動かれるかた増えましたが、まだまだそのまま突っ込む人が多いのが現実です。

っと 長くなってきたので 続きは次回にしましょう。